カゲロウ物語 エピソード2 19話

対バンへ向け、猛特訓するカゲロウメンバー

アラサト「ふー、良い感じじゃない!」
よっしー「でもまだ伸び代あるよ!まだ本番まで約二週間。がんばろー」

ナツメ「うーん、、、ちょっとアラポンさ~、もう少しキレのあるカッティング出来ない?締まりが悪いよ!」
アラサト「え?あ、ごめん、頑張るよ😖」

ナツメ「あと、南利さん、パフォーマンスも良いけどもっと音聴いて!声の強弱ももっとつけて!」

南利「え?う、うん、、、」

ナツメ「よっしー!今井さんギターなんだからもう少し格好いい音色作ってよ!あと、コーラスももっと参加して!

せんちゃん!ベースの音、少し大きすぎ!周りとのバランス考えて!」

よっしー、せん「、、、あ、ああ」

休憩中の喫煙所にて

アラサト「くそ!リーダーめ!確かに言ってることは間違ってないけど、そんなに追い詰めなくても!俺、モヤシメンタルなのにさ!😫」
南利「なーんかリーダー、ここ数日ピリピリしてるよね~。雰囲気悪いよねー」
せん「うーん、リーダーの気持ちも分かるけど、抱え込んじゃってるね、あれは。リーダーとして、カゲロウの為にも、他のバンドマンの為にも今度の対バンは負けられない。そのプレッシャーからかピリピリするのも仕方が無い。でもこのままだと、バンドとして力を存分に発揮できない」

休憩中のスタジオ

ナツメ「こんなんじゃダメ、もっとアンサンブルをあーだこーだ。ブツブツブツブツ」

よっしー「、、、り、リーダー、、、少し疲れてるのかな。コンビニで何か甘いものでも買ってこようか?」
ナツメ「、、、、、みんなやる気あるのかな?絶対勝たないと、、、負けられない、、、」

よっしー「り、リーダー、、、あの、その、、言いづらいんだけど、、、」

ナツメ「?何よっしー?休憩中だからってたるまないでよ!さっき言われたことちゃんと考えてるの!?」
よっしー「リーダー!落ち着いて!こんな状態じゃ良いライヴ出来ない!カゲロウのコンセプトは楽しむことだよ!今リーダー楽しんでる?」
ナツメ「は?楽しむだけじゃ勝てないんだよ!私が今どれ程辛いか分かる?なんで皆分かってくれないの!」

よっしー「リーダー、、、」

そこに喫煙所から帰ってきた3人

ナツメ「あんた達!いつまで吸ってんの?5分以内で戻って来なさいよ!」

アラサト、せん、南利「うっ」

ナツメ「さー早く練習再開するよ!急いで!」

よっしー「いや、だめだ。こんな状態じゃ出来ないよ」
ナツメ「は!?何言っちゃってるの!」
アラサト「リーダー、よっしーの言うとおりだ。今、リーダーと俺らの精神状態に開きがある。有りすぎる。リーダー、思い出して欲しい、スクリュードライバーと対バンしたとき、俺達の初ライヴの時を」
ナツメ「初ライヴの時、、、」
アラサト「あの時、俺と南利さんは初め極度の緊張状態だったけど、凄く楽しむことが出来た。そして皆も楽しんでいた。あれこそが本来のカゲロウじゃないのか?」
ナツメ「、、、、」
南利「リーダー、アラポンの言うと通りだよ。でもここ数日はそんな感情が、楽しむ感情があまり湧いてこない。今はリーダーに萎縮して演奏してる感じ。もっとこう、楽しんで、笑顔でやってくべきじゃない?」
ナツメ「楽しむ、、笑顔、、」
せん「リーダーの気持ち分かるよ。でもさ、よっしーの時もそうだったけど、一人で抱え込むなよ。楽しい事も辛いことも皆で共有するのがカゲロウだろ?」

ナツメ「う、う、う、」
ナツメは涙を流し始めた。

ナツメ「みんな、ごめんね、、、リーダーとしてカゲロウで結果残したくて、、
それに、ゆうちゃんの仇やみじゅさんの期待、、、他のバンドマンもカゲロウに期待してる。そんな思いを裏切りたくなくて、、😭」

せん「ああ、分かるよ。でもさ、その周りからの期待、皆で背負おうよ。それにみんな、楽しんでライヴやってるカゲロウが見たいんだと思うよ」
アラサト「リーダー、この前ツイッターで呟いてたじゃん。楽しまなきゃバンドやる意味ないって!」
南利「そうだよリーダー!皆が楽しんでカゲロウになるんだよ」
よっしー「このバンドの発端は俺だけどナツメさんがリーダーになって良かったと思ってるよ。最初は態度デカい嫌な女だったけど(笑)、実際はちゃんとメンバーのこと考えてるし、引っ張ってくれてる!本当ありがとう!」
アラサト「俺、リーダーいなかったらここまで上手くなってないよ!」
南利「盗聴器しかける程私をヴォーカルに向かい入れたかったんでしょ!最初は引いたけど、熱意のあるリーダー好きだよ!😆」
せん「みんなこう言ってんだ。俺もみんなと一緒。リーダーとは昔から知ってるけど、今は俺の知ってるリーダーじゃないよ。俺の知ってるリーダーは楽しく、笑顔でドラム叩く人だよ。だからスーパードラマーでもあるんだよ」
ナツメ「う、う、う、皆ありがとう!いろいろキツいこと言ってごめんね。でも今は本当このメンバーとバンド組めて幸せだって、、、改めて思うよ!」

皆「リーダー😊」

ナツメ「ふ~、泣いてる姿、メンバーにも見られたし、なんかスッキリした!😆
よし、楽しんで笑顔で練習再開するよー!」

皆「🙌」

これでカゲロウはさらに絆が深まった!

続く


余談
今話を執筆中、涙が出てきました。😅